「連続テルミン小説」    ※第一回掲載日は2004年9月です

第一回

ニチヴォー、ニチヴォー、まあまあです、まあまあです。今月28日早朝ロシアに出発するのだ。
「不肖・宮嶋の一見必撮! チェチェンニテ一人相撲スの巻」、武田百合子のロシア旅行記
「犬が星見た」などを読む。
教授とは名ばかりで何も教授していない。今日は新しく購入した掃除機のパワーに
感動しながら掃除をした。紙パック式570w。昨日までは170w。
和紙で出来たランプシェイドに蟹のような影がうかんでいる。
蟹がいるのだろうか?

つづく

第二回

思い切って取り出してみればそれは蟹ではなく、ぐちゃぐちゃに丸まった輪ゴム。
まめに続けて書こうと決意を込めて「連続
などとタイトルを付けるも、かれこれ2週間近く経過し
ロシアには行って帰って来た。とても充実したいい旅行だった。そのことをいろいろ書くと
何日かかっても足りなそうなのでそこそこに。
今回の旅行が充実していたのはテルミン発祥の地であるロシアを訪ね、テルミンとマトリョミン
を演奏し、ロシアのテルミンを愛好する人々との交流があったからである。
一参加者がそのあたりの詳細をあれこれ書く気は毛頭無いが、いつもユニークな活動をされる師匠
竹内正実氏のロシアツアーに参加出来て本当に面白かった。
私を含め11人の生徒が東京、浜松、名古屋の教室から参加したわけだが、私のように自由に
休みが取れるような職の方ばかりではない。(定年後の方もお2人ほどいらしたが)かなり無理をして
毎日のようにテロの報道があったロシアに行くという物好きな方々との交流もまた楽しかった。

ロシアには洗車という習慣があまりないらしく車は汚い。車体の下の方だけならまだしも
後ろの窓から外の景色を確認することを放棄しているとしか思えない車も多く見受けられた。
トイレもインドネシアに行ったときと同じくらい(もちろんホテルのはきれい)汚くて
エルミタージュ美術館ですら便座が無かった。
美しい風景、歴史的建造物とそういったずぼらさが混在しているのがまたよかった。
まだ書きたい文が頭の中にあるが明日からは職場(教授は派遣社員です)が変わるので
このへんでやめて眠る。今月からの職が未定のまま出発したが、どうにか決まって
本当によかった。また貯金をしてロシアに行きたい。今度はロシア語ペラペラで。
明日からの職場の制服が奇抜なものでないことを祈る。

つづく


第三回

「お知らせ」のページに書いてあったロシア行きの日程は間違っていた。帰って来たその日に気づいたが
放置していた。今日直したけれど10/8ではなく10/6まででした。
ロシアから帰ってすぐの土曜日、無事帰ったことを報告しに、ロシア語で「ロシア」と書かれたTシャツを
お土産に持って友人の家に泊りがけで遊びに行く。
すると深夜に一通のメールが・・・。私の購読している某機関誌に今回のロシアツアーのレポートを!
という依頼だった。おもしろいので2つ返事で引き受けるが執筆は予想の2倍くらい難航。
旅行会社からもらった日程表を眺めて構成を練る。来る日も来る日も練る。書いては消す。
身体は家と両国の往復なのに頭は毎日ロシア。それも悪くない。
しかし遅れに遅れ、とうとう見切り発車で前後編に分かれることになり、前編の掲載誌が手元に届いてしまった。
今度はそれを読み返しながら続きを書く。もう11月になるというのに頭はまだロシア。
また行かれますように!と祈りつつ右手をグー、左手をパーにしてレーニンとおそろいの寝姿で就寝。

つづく


第四回   過ぎ去りし日の日報

そういえばあんなに難航したロシアレポートが終わったのももう先々週のことだ。
私は2週間何をしていたんだろうか??確かあれは数週間前、香港旅行から帰って来たばかりの友人と
新宿で夕食を食べた。友人はかなり興奮気味に時々広東語を織り交ぜて香港の話をしながらも、
私より数倍早くお粥と麺を食べ終えたかと思うと広東語教室のノートを広げていた。
よくしゃべる。ノートには旅行に備えて先生に習った言葉がいくつか書いてあった。
「荷物はどこに置いたらいいですか?」「辛い物を食べるとおなかをこわします」
「私のことはあまり気にしないで下さい」等々。私もロシアの話をする。
友人のイラストの載っている雑誌を立ち読みし、周辺をフラフラ。またある日は、
朝電車に乗り遅れたら魔がさして有休を使った。なんてダメ人間なんだろうと思ったのもつかの間、
行きたいけどなかなか行かれないでいたところをしらみつぶしに回る。
毎年クリスマスに演奏させてもらう経堂の喫茶店に行ったら近くにロシア語学校があることを
教えてくれたので行ってみた。月末にイベントがあるらしい。入り口に飾られたマトリョーシカは
日に焼けすぎて色柄がほとんど消え、ひょうたん型の木と化していた。美容院にも行ったので翌日は髪を結んで出勤。
数日前の夕方、銀行で73000円おろすと、全部1000円札で出てきて閉口した。
73人中2人は野口英世であった。思っていたより目がクリっとしていていまひとつ。

つづく


第五回

お気に入りの梅干しを久しぶりに購入。7個食べる。
成人女性が1日に摂取してよい塩分を軽く超えたのではないか。
先日有楽町を歩いていると国際フォーラム前の宝くじ販売小屋におばちゃんが2人すし詰めに
なって異様な雰囲気を発していたので「今買うべきかも!」と思い、スクラッチを一枚購入。
ひょっとしたらこの1枚で引越しが出来るかも!
小屋から数歩離れてすぐに削ってみたがやはりハズレであった。財布が銀のカスまみれになった。
ときどきお正月の「新年工場見学会」のための会議をしている。
この間の会議のときにオムトンのリーダー澤口希さん(通称のんちゃん、またはのん様)から
思いがけぬプレゼントをもらう。「テルミン大学教授のテーマ」という曲。
ロシアを意識して作ったという短調のかっこいい曲。新年工場見学会で初演!

つづく


第六回  テルミンが無い

最も練習しなければならない時期のはずなのだが気が付けば家にテルミンが無い。
演奏指導を担当した舞台用のテルミンを公演後譲り受けるということで
共同購入して現在2台に増えたのだが1台は劇場に、もう一台は五反田のアトリエに。
現在「新年工場見学会」で上映する映画の撮影を工場でしている。工場は五反田団前田氏の家である。
連日深夜まで変な歌を大合唱したり着膨れして駐車場を走り回ったりしている。
今年2回目を迎える「新年工場見学会」、おもしろくなりそうだが1月2,3,4日なんて人は見に来てくれるだろうか?
まあ去年なんかは12/31〜1/3なんていう日程だったのだからそれよりはましなはずだ。
スクラッチははずれたが気まぐれで出した懸賞ハガキでお米10sが当たった。
嬉しいがお米では引越せない。

つづく


第七回  グッバイヨーヨーマ

元旦は久々の休日であった。
まだ前日の雪の残る中、水木しげるの本を読みながら都内の祖母の家に行く。
祖母はリウマチで手が痛いので新聞を持つのも疲れるらしく、バラバラにして1枚ずつ読んでいた。
そのくせ雨戸の開閉などはコツがあるからとか言って絶対に自分でやらないと気がすまない。
茶そばや煮物を食べ、いとこの話などして夕方帰る。すっかりお正月気分だが明日からは新年工場見学会、
着物やらテルミン大学のチラシやらいろいろ準備がある。
メールをチェックし、21時まで練習。そして今日から始まるNHKの「新・シルクロード」(初回は本編の他に
ヨーヨーマの特集がある)を見て、チラシを作って荷造り。
と計画をたてたまではよかったが、さっそく予定外のことが起こる。
メールBOXを開けると送った覚えの無いところからのエラーメール数件と、「送ってもらった添付ファイルが開けられない」
というメールが数件。大凶だ。すでにかなり撒き散らしているらしい。
履歴は一切残っていないのであわててPC内にあるアドレス全部に「私からの添付ファイルはウィルスですから
開けないで下さい」というメールを送る。しかし現在もウィルス送信真っ最中らしくPCの動きが異様に遅い。
すっかり嫌な気分になるが親切なメールを送って下さる方もあり、どうにか持ち直した。
気がつくと真夜中だった。嗚呼ヨーヨーマ、5月のサントリーホールにはきっと行く。
一応就寝前に蚊の鳴くような音でちょっと練習。無意味。

つづく


第八回

木曜のお昼に社食でバニラムードを見て以来悪寒がする。
薬を飲んで寝れば翌日には直るとたかをくくっていたが一向に直る気配なし。
明日は円盤に行く前に練習がてら井の頭公園で演奏しようと思っていたのに。
体力をつけなければ楽しいことをいろいろ逃してしまう。



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